はじめに
8月末までに2プロジェクト(バンド)に対して曲を出さないといけない!作曲はぼちぼち済んだんですが作詞に異常に難航していて、気休めにでもなればという思いで買ってみました。
作詞の勉強本 「目線」と「発想」の拡大が共感を生む物語を描き出す鍵となる
- 作者: 島崎貴光
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2015/12/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
作詞の勉強本
冒頭で触れられている通り、これはテクニック本ではありません。
本書では「作詞」に焦点を絞って、「作詞の勉強本」をお届けします。作詞のマニュアル本ではありません。
メタなんですね。その思想が気に入って買ってみました。
目線と発想
本書では作詞をするための基本姿勢として、目線と発想の拡張をし続けることを説いています。
発想は表現やシチュエーション、ストーリーを作り出すもので、"引き出し"と読んだりします。これが多いほうがいいというのは何となくでもわかると思います。
一方、"目線の拡張"とは、同じシーン、同じ設定でも、複数の角度から捉えられることを示しています。
この他、表現を拡張するためにどんな風な言い換えのトレーニングをすればいいか、共感を呼ぶためにどんな設定を考えればいいか、自分自身の(本書が呼ぶ)作詞脳を鍛える、トレーニング本になっています。これがテクニック本ではなく、基本理念を踏まえた上での基礎力を伸ばし続けるための本、すなわち勉強本ということになります。
この本から学んだこと
既存曲の分析
1つは単純に、既存曲の分析をしないといけないということ。著者はコラムで2000曲は分析したと書いています。また、今も昔も売れている王道曲はエッセンスがたっぷり詰まっているので聴かない手はないとも説いています。これ、至極当然のことだけど、積極的にやってないなぁと。作詞だけじゃなく、できるひとは息するように好きな曲を耳コピして楽しんで身につけてる。その才能がない自分は進んでやらないとダメに決まってる。
セクションごとの考察
作詞はEvernote上にやっていて、歌詞本体を書いた下に、背景や設定、オチ、主人公のイメージなどを書き留めています。本書ではpart5の実践連で、Aメロ、Bメロ、サビというセクションごとにそれぞれ考察をしたり、流れを決めたりしていて、この点は見習いたいと思いました。
この本から学ばなかったこと
この本はとても良書で、お勧めできる本なんだけど、メロディとの親和性については触れられていいませんでした。
メロディとの関係という意味では、確認事項の部分で、リズムを意識、区切りを意識という確認フレーズで触れられてはいます。また、確認事項のときに「声に出そう」というのは作詞の第一条件で、その点には触れられていました。
でも僕はやっぱりメロディは言葉を呼ぶと思うんですよね。その不思議な相性について知れたらなーという期待がありました。
自分の作詞方法
僕は曲先も詞先も両方やります。今は曲先が多いです。
メロディの好きな部分から好きな言葉を乗せてみて、そこからイメージを膨らませて、寝かせて、また書いてみて、よくいえばじっくり、悪くいえばダラダラと、空き時間を見つけてはevernoteに書き足していくというスタイルです。あんまりババっと30分で書き上げてしまった、みたいなのはないですね。つまり決まったやり方はない、という状況。
こんな風に作詞するんだよと他者に教えられるぐらい確立できていればいいんですが、そうはなってないみたいで、ひたすらうんうんうなって出てくるのを待つ、という状況を打破したい思いでこの本に手を出したんでした。
自分の書いた歌詞を振り返ってみる
猫の休日 - 目覚めたばかりの猫
最近は猫の休日というバンドで目覚めたばかりの猫という曲を書きました。
この曲はわりとセクションごとにシーンを明確に変えていますね。
Aメロは主人公が何か考えながら街を歩いています。 そしてBメロは1番、2番ともに主人公の奥にある「願望」 サビは呆れた顔した猫や、目覚めたばかりの猫という象徴的なフレーズが繰り返されます。 そしてブリッジ的に入っている、ギターソロ後に、自分の本当の欲求はどこにあるのかを問い、 最後のサビで、退屈を歌う猫に対して、私はまだまだ、そんな場合じゃないな、と思い明日へ向かうところで終わります。
……..と後からはいくらでも言えるんですよこんなん!!!作った時のこと覚えてないわ!!!(笑)
YAMAHA作曲コンテスト - 2人だけの夏
これはコンテスト感がすごいあるというか、綺麗(?)すぎて逆に恥ずかしくなってしまいますね。。。音的なもろもろがいろいろアレなのは目をつむってください。。。
これは仮歌のお姉さんのクオリティに助けられまくってなんとか聴ける、、、いかんいかん、作詞の話でした。
このコンテストはテーマが決められていたんですね。それは「初夏の◯◯」。で、僕は「初夏の彩り」というテーマにしました。
審査はこのテーマがどうあらわれているかが観点だったようで、そう思うと初夏感は冒頭のこのフレーズぐらいだし
春が立ち去る姿を 見送って 踊る私の髪と心 叫んでる
さらにいえば彩り要素が特に見当たらないですね(笑)
僕としては「いろんな君」が2人の夏を彩るんだよ!!!って気持ちで書いてますけど読み取れない。(笑)
一瞬で過ぎていく 君の隣を歩く時間に これからの季節のように いろんな君を見せてよ
メロディは結構いいと思うんですが、歌詞は攻めきれず変にまとまってしまって、自分としてもまだまだだなぁと思い知らされたコンテストでした。
とけてなくなる - 曖昧に揺れる15cm
この曲はきっと1番まで書き上げて、2番は似たような言い回しを使って広げたパターンだと思います。対照的に見えますしね。
この曲の良いところは、ちゃんと1番最後に「オチ」がついてるところだと思います。作詞って、どうオチをつけるか、リスナーをどう(良い意味で)裏切られるかって結構重要だと思っているので。
ただの片思いの曲なのは最初から最後までそうなんですが
あなたも同じ夢を見て 同じように苦しめば良いのにな あなたも僕のこと考えて 悩んでればいいのにな そんなわけないな
「オチ」というか「シメ」ですね。必ずしも結論を着地付ける必要はないんですが、シメがあると気持ちよく追われる気がする。
おわりに
だらだら自分の作品を味わっただけで終わってしまった。まだまだ自分の作詞法を確立できておらず、プロの作詞家には遠いですね。
とりあえず今後積極的にやっていきたいことは、既存曲の分析(きっとブログに載せます)と、自分が作詞するときにはブロックごとに明確に背景や設定のメモを書きながら、ある程度意図して作詞を行えるようになりたいです。
作曲もやるので、作詞だけやるってことはないだろうけど、そんな機会も今後持てたらなと思います。