はじめに
読んだ。
- 作者: グロービス経営大学院,佐藤剛
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/12/14
- メディア: 単行本
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きっかけ
転職活動中、HeartBeatsの高村さんと、HB主催のイベントで再開しました。再開、というのは、僕はJuly Tech Festaで彼の発表を一番前の席で聞いていたのでした。
結構僕にとって衝撃的で、刺激的な発表だったんですね。
まず、エンジニアがMBAを(この時点ではよくわかってない)取りに行ったこともびっくりだし、かなり若い頃から(野球の挫折を通じて)自分が何が得意で、何が興味あるかを見つめている点が、ほわ〜〜〜かなわないな〜〜〜と思いながら聴いていた記憶があります。
今でこそ、就職活動を通じて自覚していますが、僕も「ITエンジニアリングと組織マネジメントに対するモチベーションは高い」(スライド11p)わけで、完全に一致していました。僕自身、この頃は特にマネジメントを実践でしたこともなく、なんとなく得意っぽい?好きっぽい?ぐらいでした。それでも、ガツンと、似たようなひとがいるなぁと思ったことをよく覚えています。
これはその後お会いしたときに高村さんと話したんですが、「何事も原理原則が大事」とおっしゃっていて、リーダーシップとかマネジメントとか、そういうよく言われる言葉や役職で必要なスキルは、経営大学院では「組織行動論」「人的資源管理」という分野できちんと体系化されているということを僕ははじめて知りました。知ったというより、自覚したという感じ。
で、普通に教科書でてるので読んでみたらいいですよ、ということで読んでみました。
感想
でここまできっかけを述べてなんですが「う〜〜〜〜ん何か違うな〜〜〜〜」って感じでした。(笑)というのも、読んでいて、確かにその通りなことがたんたんと書いてあるんですが、きれいな教科書なんですよね。。。僕は何を期待してたんでしょうか?
その自分の期待が何かを探るためにも内容を自分なりに咀嚼してみます。
内容
MBA(経営大学院)の一科目としての「組織と人材マネジメント」についてです。
経営をするには、必ず人からはじまります。まえがきのしょっぱなが「組織の経営は人に始まり、人に終わる。」です。「協調システムである組織を動かすために、人材をどのようにマネジメントすべきかということ」がテーマ。以下も同じくまえがきより引用。
- 組織の意志としての戦略を組織メンバー全員が共有化すること
- よき組織文化を共有し継承していくこと
- 環境変化に応じて働く仕組み(組織構造)を設計すること
- 人間として豊かな生活を送ることができ、かつ多くの社員を動機づけられるような人事制度を設計すること
- 組織と人材のマネジメントは人事部だけの仕事ではなく、すべてのマネジャーの仕事であることを認識し実戦すること
うん。なんというかですね、今ここまで書いてわかりました。ぼく経営やったことないから全然ピンとこないんですわ。。。(当たり前だ)
本書は7章構成。おおざっぱにサマリ(メモ)を書くと、
- 組織の目的 … 共通の目的を達成するためにはひととひとが協調する必要があり、行動指針(戦略)が必要である
- 組織文化 … 組織文化はメンバーの価値判断に関係するためコントロールできると効果は大きい
- 文化によい悪いはないが、好ましい文化の例
- 多様性を奨励する
- 変化をつくる
- 社員を大切にする
- 文化によい悪いはないが、好ましい文化の例
- 組織構造 … 組織は分業システムであるため、分業の強みを発揮できるかどうかを決めるのが組織構造である
- 人事システム … 組織でひとが活躍できるために、採用から退職まで関わる人事システムについて
- 採用・配置システム
- 評価システム
- 報酬システム
- 能力開発システム
- 多様性のマネジメント … 昨今多様性は無視できなくなり、重要性を増してきている
- 主にグローバルカンパニーでの事例が多かった
- 組織と人材を動かす仕組み … 人事システムを作ったあとの運用について
- 実践例
序章で書かれている通り、「組織と人材マネジメント」の中には2つの要素があり
- 「企業の仕組み」で動かす組織と人材のマネジメント
- 「個人の取り組み」で動かす組織行動学
明確に二分できるわけでもないようですが、大きく分けたうちだと僕は後者に興味があります。もちろん前者にも興味はあるといえばあるんですが、実戦機会がないため、ピンとこなかったようです。
まとめ
自分自身の関心は「ひと」にあります。とにかく「ひと」が好きで、「ひと」と話すのが好きです。利他主義で、みんなでハッピーになりたいし、成果も出したいと思っています。
本書の内容は、"経営者"が人事制度あるいは組織文化を変化させることで組織の生産性を最大化させるための原理が書かれています。僕自身は経営レベルで行ってきたことがないため、ピンとこないのも当たり前かなーと思いました。
かといって、興味がないわけではないです。ただ、この本を読むには、自分の視座がまだ足りなかったと言えます。
一方で経験があるのは現場レベルでのチーム生産性向上や改善といったチームビルディング。人事制度とまで大きいものではないですが、チームビルディングで気をつけていることは、人事制度においても同様な考え方をしている点があってもおかしくないと思います。そこに共通点があるのか、やはり違うのか、が気になります。
(チームも組織であるので)組織のスケールがどのようなものであれ、結局人間の認知が重要だと思います。そこをこれから学んでいきたいですね。
おわりに
今すぐに役立つ本ではなかったとはいえ、自分自身の視座が足りないことと、今興味がある点が見えてきたので読んでよかったです。