はじめに
この前鳥取・島根へ旅行に行きました。え、なぜって?まだ行ったことないからです!30までに47都道府県制覇、残り10県となりました。未踏の県に福岡の友人を付き合わせるというね、しかし遠すぎた。
それで鳥取県の境港に行ってきました。ゲゲゲの鬼太郎の作者、水木しげるロード、記念館がある場所です。なぜかその境港駅に、漫画 故事成語の本が売ってました。
ちなみになんで故事成語に興味持ったかというと例の語彙教養本で「馬謖を斬ると言えども〜」「んなもん使うかボケい」というくだりがありつつも一度復習するか〜と思った次第です。記事はこちら。
漫画 故事成語
え、なんで?しかも324円で75ページ。安くない?え?なんで売ってるの?
妖怪関連とかね、水産物とかね、わかるけど、なぜ故事成語の本が売られているのか。。。発行は確かに境港市観光協会だ。
調べてみた
元々は観光スタッフの楠麻貴子さんが自衛隊の機関紙に連載していたのがきっかけ。教育に良さそうで学校でも買われているみたいですね。特産品にまでなるとは素晴らしいですね。
故事成語
中学校や高校で学んだものでも、ルーツを知らないものがあったり、新たに知ったものもあって面白かったです。ボリュームも結構あるので漫画と言えどそこそこ読むのに時間がかかります。(内容を理解しないといけないため。)
1点だけ惜しいなと思う点は、故事成語の紹介するものと、詩をそのまま載せているものがあって、それはグループ化してもらったほうが読みやすいなと思いました。
気になったものをいくつかあげますね。
圧巻
官吏登用試験「科挙」で最も優れた答案(巻)を一番上に乗せた(他を圧っている)ことから、「他より抜きん出てすぐれた詩文・書物」という意味。言葉自体は知っていてもルーツは知らなかった。
牛耳を執る
今でも牛耳るといいますね。春秋時代、諸侯が同盟を結ぶときは、牛の左耳をさいてその血をすする儀式を行っていた。もっとも強い国が1番最初にすすることから団体や同名の長になることを言う。へー。
若冠
礼記に「二十を弱と曰いて冠す」とあり、男子が二十歳になるときに冠をかぶることから、「二十歳の男子」を指す。現代では転じて年若いという意味で使われる。確かに、「弱冠十八歳で優勝」なんて表現は見たことがありますが、誤りなんですね。女性に使うのも違うとか。へー。
人口に膾炙する
これ、ちょうど別の本で出てきた知らない言葉でした。膾はなますという小さく切った生の魚や肉の料理。炙はあぶって焼いた肉の料理。どっちも誰の口にも合う、おいしいとされる料理であることから、広く世間に好まれることを言う。へー。
杜撰
「杜撰な管理体制だ」を最近口癖のように言っています。杜黙という詩人は、詩のルールを守らずに作っていたことから、「詩文に間違いが多いこと」「やり方がいい加減なこと」を指す。撰は詩文を作るの意味。故事成語っぽいですね、人名が入ってるあたりが。(笑)
破天荒
これも「破天荒な性格だ」の誤用がよく見られますね。官吏登用試験である科挙に、荊州という地方からは1人も合格者が出なかった。そのことを「天荒」(人の手が入っていない原野)と読んでいた。その後、劉蛻がはじめて合格したことから、天荒を破った、破天荒という言葉が生まれ、転じて今まで誰も成し得なかったことを成し遂げることを指す。へー。ルーツを知れば間違えようがないですね。
おわりに
聞いたことがある、日常的に使うけれどルーツを知らない言葉が多くて面白かったです。特に学生時代、自分は古典、歴史が好きではなかったので、いいきっかけになりました。
通販でも買えますし、鳥取・島根に行った際には是非手にとってみてください。子どもも大人も読んでいい本だと思います。