この記事は前任 EM の yuya-takeyama の記事へのアンサーソングであり、
Engineering Manager Advent Calendar 2021 その2 2日目の記事として寄稿します。
背景
僕は引用記事の SRE チームの Software Enginner でした。ひょんなことから前任が別のミッションを担うことになり、このチームの後任としてどうか、となり 2021年10月より同チームの Engineering Manager をやっています。
以下、引用したりしなかったりしてこの2ヶ月の心境などを語っていきます。
Engineering Manager として置かれている状況
先ほど言った経緯に引き続き、情報的な話でいうと
- 自分含め7人のチーム
- もともと中途採用をしていた会社でもあり、自走可能なメンバーで構成されている
- プロダクト開発チーム複数に対して存在する横断チームである
という感じで、規模こそこれ以上の拡大は難しい状況にありつつも、多様性があり、広範囲の業務内容をいい感じに分散し、共有すべきことは共有し、バランス感を持ってやれている実感があります。
会社的な状況は2年前とは異なるとはいえ、個人記事なのでそこには触れないことにします。
現状は共通言語は日本語になり、英語の使用頻度はかなり減っています。(Global Development Team との会話の機会はなくなってはいませんが、以前よりかなり減っています)
Engineering Manager として大変なこと
Engineering Manager の引き継ぎ
これは個人がどうというわけでなく、人事評価などの引き継ぎの難しさです。 これまでメンバーとして関わっていたということもあり、いきなり外部から任用されるシチュエーションに比べて難易度は高くないとはいえ、それを短い時間で引き継ぐのはかなり難しいというか、不可能だと思います。 不可能なら不可能で、自分の目で見ていくでいいんですが、そうはいかないのが評価です。現職では評価と来期のグレード設定(給与に連動する)が分けられており、僕の場合、評価は前任、来期に任せるグレードは新任となっていました。 理屈としては評価と次に任せるグレードは可分なのはわかりますが、”とはいえ"評価なくして任せ切れるかという判断をするのは難しく、ここはかなり苦戦しました。
ミッションマネジメントの難しさ
現職では本人の Will, 本人の能力である Can , そしてチームや組織にとってやるべきである "Must" の3つを言語化して、適切らしいミッションを設定するというフレームワークを使っています。 このフレームワークは非常によくできていて、マネジメントとしてはポジティブな面も大きいのですが、納得感を持ったミッションをメンバー全員分設定し、評価基準や背景を言語化して伝えるというのはなかなか難しいということを体感しました。
ミッションマネジメントは、(めちゃくちゃ厳格なものではないとはいえ)メンバーにとっては評価につながるものですし、やるべきことは状況によって刻々と変わっていくので、半年に1度設定すればそれで終わりというものではありません。(その辻褄を合わせる裁量はもちろん与えられています)
それに、チームとしての成果を最大化するために、あるいはメンバーの成長やモチベーションのために、どういうことをしてほしいか、という期待値をマネージャからメンバーに伝える場所になっています。それゆえ、全体最適と個別最適のバランスを、様々な観点から1つの確からしい答えを出すという行為は正解がなく、マネージャとしてかなり難しい仕事の1つだと思いました。
Engineering Manager になってありがたかったこと
これは前任とほぼ同感で、以下2点です。
- 人事や人事制度の存在
- チームの内外のメンバーの優秀さ
追加で言うと、同じ Engineering Manager の存在のありがたさがあります。
今回は同じ部で同期で EM となった @ojiry と @shunsuke-nishimura がいるのに加え、これまでマネージャだったメンバーに相談したり壁打ちにのってもらったりとかなり助けられています。 Engineering Management は画一的なこれをやればいいという仕事は少なく、組織課題に代表されているような抽象度が高い課題が多くあります。そういった点をこれまでのように自分1人で解決するのは難しく、日々フィードバックをもらえて感謝しています。
Engineering Manager になって気づいたこと
これまで自分たちが「当たり前」に思っていたことは、誰かが頑張って当たり前にした、ということです。 これまではそういうものの恩恵に預かることが多かったですが、EM になって驚くほど「こういうことも整備されていないのか」ということにぶつかります。これは EM になって気づけてよかったと思っています。 制度や仕組み。こういうときにどうするのか、というのは過去の誰かが同じ問題にぶつかって、向き合い、話し合って、その解決策やフローが整備されてきたということをあらためて実感し、自分もその道を建設的に作っていこうと思っています。
Engineering Manager として今後やっていくこと
- Feature Team による プロダクトのデリバリーを高速にする仕組みづくり
- Security Engineering Team の立ち上げ
- プロダクト開発チームをより魅力的に、持続可能にする取り組み
「良いものを、もっと速く」を実現するために、プロダクト開発に閉じない視野と視座で、世界中の"学び"の体験、そしてそれを届ける全ての人の体験を最適化するために、なんでもやっていこうと思います。
Engineering Manager としてこの3ヶ月やってきたこと
別エントリで振り返ろうと思います。 あせっているつもりはないが、それなりにそれなりをやってきたと思うので。
おわりに
あせらないあせらない。ひとやすみひとやすみ。