3ヶ月前の振り返り
https://blog.chaspy.me/entry/2022/12/24/120000
いろいろキツかったがなんとか走り切れたかな、というそんな感じ。うまくいかない時期もあったが、周囲にサポートしてもらいながら、少しずつ前に進むことはできたと思う。
SRE
ややハードになりそうな状況ではあったが、なんとか乗り越えられたと思う。メンバー1人1人の自立性と技術力のおかげだと思う。
11月に1人、2月に1人入社し、メンバーは7人になったところで採用を止めることができた。これにより採用活動にかけていた時間を使わなくなったのは大きい。
新しく入った2名についても順調に立ち上がっていると判断していて、1on1は細かめにやっているものの、マネージャーというよりはメンターとそれを受け入れるチームが正しく機能していたことが大きいと思う。
後半の Q4はリーダーが他のチームに留学したり、AWSのアカウント分割プロジェクトで手戻りが発生したりと不安定気味になったが、それについても留学時期を調整したり、リーダーが作戦変更を素早く意思決定し、段階的に変更を進めたり、開発チームとのインタラクションをコラボレーションモードに変更したりと素早く柔軟な軌道修正ができた点は良かった。
この期はアカウント分割プロジェクトを中心に、開発者との Relation を深く考えることができた期だと思う。これまでも開発者からフィードバックを得る、ということはテーマとして打ち出していたものの、具体的に依頼をいつどのようにしたら良いか、という点で学びが多かったし、その基本的な考え方も整理できた。
成果もかなり出ており、次の期でも引き続きやりたいトピックがたくさん出てきている。
次の期は僕が EM をやって4半期目である。(次の10月でちょうど2年)
僕が当時思い描いていたより遥かに遠いところにきていて、特にこの期はチームが格段に良くなった感覚がある。
僕がマネジメントとして成し遂げたことは数少ないが、意識していたことは、
メンバーがハイパフォーマンスを出せる環境
Teamとして不足している capability を獲得すること
Team としてそれを発見、実行できること
現状はこれが回りつつあり、少なくとも実務面ではマネージャ不要な状態にかなり近づいていると思う。(個人の成長支援として少なからずマネージャに残る役割はあると思っている)
チームがチームをセルフマネジメントしている状態、というのかな。
これには1人1人の技術力だけではなく、ソフトスキルも必要だし、何より同じ方向を向くことが大事で、これについてはビジョンミッションバリューを整理した前任マネージャの功績が大きい。僕はそのレールの上でさらにそこに向かうための改善サイクルを強化するための採用と目標設定を補助したに過ぎない。
引き続き"良い課題を発見する"ことを、SRE チームだけではなく、開発組織全体の技術戦略を通じて与えられるようにしていきたい。
Product Secriry Engineer については来期もう1人取りたい。頑張る。
プロダクト開発
B2Cプロダクトの WebDev のマネジメントをやりはじめた。まだ半年らしい。1年以上前からいる気がします、と言われることもある。よく分からないけど、半年も経てば慣れるもんである。
技術的には WebFrontend を触るようになって0から React を触れたのが良かった。楽しい。実際に軽微な改善、ドッグフーディングで見つけた改善はプロダクションに出した。
Native Team と関わるようになったのも新しい経験だった。どうしても SRE と Native は直接的な関連がなかった。お近づきの印に Jetpack compose の置き換えのリファクタもやらせてもらって、(最後はペアプロでおんぶに抱っこだったがw) 無事1コンポーネント本番に出せた。
インフラや監視面でも(それをしにきたわけではないとはいえ、持ってるスキルセットとして)身近に聞ける人ができた面でも貢献できたと思う。が、それを組織の capability として強化する、みたいなことはできなかった。
3Q でやっていた領域はビジネスの方針転換により縮小することになり、この組織変更には痛みが伴うものとなった。ビジネスの方針変更に対して開発組織はそれに合わせて変更する、それによる痛みは少なからずある、というのは理屈ではわかるが、我々人間、感情の生き物であり、そこはもっとうまくやれたところはあったと思う。(結果としてあの時あの時点では最良の選択をしたと思うが、もっと早く手をつけて回避できなかったのか、ということをたくさん考えた)
PLG チーム
Q4 からは体制変更に伴い、PLG - Product Led Growth チームが立ち上がり、そのチームの担当マネージャーに立候補した。チーム立ち上げのプロポーザル自体は別の EM が行い、まんま引き継いだ感じ。
Growth Enginering, プロダクトをプロダクトによって改善し、仮説検証をデータを元に繰り返していくチームだ。今は Android, Web 開発者が1人ずつと、PM が1人、EM が僕の4人の小さいチームだが、立ち上げは順調で既にいくつかの変更をだし、A/Bテストを行っている。
"事実に基づいて意思決定する" Fact based decision making は信頼性領域における SLI/SLO であり、それを事業指標とプロダクト指標で行うこととなんら変わりはない。分析基盤の構築をしながら、高速にサイクルを回して事業指標を改善していくことは僕が最もやりたかったことだった。次の半年はいよいよ成果を出す期である。楽しみだ。
マネジメントの課題
課題は明確である。
PM とのコミュニケーション、期待値調整、情報流通
各チームが自立的に改善を繰り返すための組織設計、およびリーダーの育成やアサイン
1つ目については年明けからかなり状況は良くなっており、PM のマネジメントメンバーとの会話はかなり増えた。
みんな優秀でちゃんと話を聞いてくれる、話せばわかる人たちなのがありがたい。じゃあ話せばいいじゃん。話そう。それだけなのである。でもそれだけのことで結構うまくいかなくなるもんである。
2つ目は具体的に現在予定されてる新規プロダクトのリリース後の組織体制の検討がアウトプットになる。この意思決定については早めからありうる未来を考え、メンバーにフィードバックをもらいながら設計し、その設計意図や意思決定については ADR のように残したいと考えている。
3つ目として、技術戦略がある。(システム的な技術課題の解消、組織の技術力向上、ビジネス戦略を見越したシステムならアーキテクチャなど) が、ひとまず次の半年については大玉のリリースおよびチームの再構築によるチームビルディングと安定化が目先大事なので、それが落ち着いてきたら考えたい。
技術戦略
直前で言ったのとは別に、スタディサプリ小中高全体の技術戦略グループがある。このグループもなんと2年だそうだ。よく続いている。尊い。
兼務メンバーで成り立つこのグループは派手さはないものの、地味に成果を出しつつあり、組織としては成熟しつつある。
技術課題を吸い上げて、評価して、計画を立てる。
ただそれだけのことを、1人のリードアーキテクトではなく、ボトムアップでグループで行えるようになっている。これはなかなか凄いことなんじゃないかと思っている。
長年やりたかったシステムアーキテクチャに対するサブグループも立ち上がった。時間はかかったが、着実に良い未来につながる取り組みができていると思う。
自分が担当している DevOps WG も自分たちの様々なことについて、アセスメントを実行してフィードバックを得る、それ自体のサイクルが回っている。
各チームから満遍なく参加してもらっているのはマネージャである自分の唯一の功績である。その多様性により、何気なく持ち込んだら一瞬で課題が解決する、といった良い成果が出ている。このグループの取り組みが SRE チームにも良い影響を与えられており、自分がいて良かったことの1つだと思う。
SRE(2)
BtoB 領域のインフラを何とかしれくれと言われて何とかしにいった。と言っても片手間なので、状況を把握しにいって、方向性を決めて、細々発生するタスクを誰でもできるように標準化したり、意思決定したりする程度。
ちょっとはマシにはなった。
Terraform applyをlocal実行するのドキドキ新鮮だった。
学んだこと
- 任せた方がいい、だけど丸投げはしない
それはそうなんだけど、でもやっぱり任せた方が結果的には良くなる。でも任せ方は大事で、丁寧に期待値合わせをして任せて、それを最初は結構頻度高く目線合わせとかで会話するとうまく行く。
それはそうということなんだが、やっぱりそうなんだなという感じである。なので、これは続けていきたい。
- 自分にできないことを自覚し、他者を信頼して、他者を頼る
一時期足りてなかった時期があった。他者を信頼するというのが大事で、今でもちょっと苦手かもしれない。でもうまくいかない時って自分に原因があるので、そういう時はちゃんと内省するってことはできてるので続けたい。
次の半年
SRE: チームでチームをマネジメントできるようにする
プロダクト開発:
大玉のリリース
リリース後の組織設計
PM とのコミュニケーション改善
VPoE は席空いてるけど能力が追いつくか余力ができないとできないかもしれない、わからない。
とりあえずこの半年はチャレンジしました。お疲れ様でした自分。