前回 https://blog.chaspy.me/entry/2022/12/24/120000
約半年ごとに書いている勤続(?)エントリー。ついに丸5年となった。
節目ということもあり、5年を振り返ってみる。
5年間を振り返る
1年目
2018/06-2019/05
とにかくパフォーマンスが出なかった。出なかった、というか、低かった、というのが正しい。求められる期待値と現在のギャップを正しく認知できず、間違った方向にがむしゃらで、パニックゾーンだった。
今でもたまに思い出す。辛い時期だった。
半年経ったころから Microservices Readiness な仕組みつくりをはじめたり、deis からの Platform 移行にともなう Kubernetes の勉強会や、起きる変更を文章にしたり、特別講習と呼ばれる live サービスのインフラを担当したりと、少しずつ自分ができることが増えてきた。
同時にオンボーディングカルチャーを WebDev と一緒になって醸成した。
ブログ筋があったおかげで、わかることもわからないことも文章にするスキルがこの時自分を助けてくれた。
SRE Lounge のコミュニティに顔を出したり、同僚と勉強会に行ったりの時間が癒しだった。
2年目
2019/06-2020/05
自分でできることも増えてきた。ユーザも増え、パフォーマンスの問題を顕在化してきた。MongoDB のスケールアップのための負荷試験をやったり、Kubernetes 上で HPA を導入したりしていたかな。
あとは SLO をやっていくんだ、と宣言して、最初は1人でコツコツと、それから開発チームと一緒に少しずつ。現れる技術的問題をクリアしながら"文化を作る"体験をしたのは自分にとって稀有な経験だった。
この時の体験は最善だったとは思わない。もうやらないし、もうやれないな、とも思う。しかし組織としての仕組みがない中で個人が1つのことを成し遂げることができる土壌そのものの尊さを感じたのを覚えている。
英語を真剣にやっていたのもこの時期だと思う。悔しい思いをたくさんした。嬉しい思いもたくさんした。現地に行って会話したこと、それがリモートであれ普段の仕事のしやすさにつながること、今、時代柄見直されていることだが、オフラインコミュケーションの重要さを実感した。
1番ハードに働いていたと思うし、でも夢中だった時期だと思う。
3年目
2020/06-2021/05
Lead Engineer というタイトルがついた。チームが前に進むためにできることを考えた。とにかく考え尽くした。
言語の壁もあった。チームメンバーの価値観の違いもある。SRE チームの担当範囲の広さもある。難しかったが、この頃からメンバー全員と1on1をはじめて、課題解決に時間を割いた。
同時に IC として技術力の壁を1つ超えられたのもこの時期かこのちょっと前だったように思う。"技術力が課題"という言葉に、これ以上の解像度を持っていなかった。
しかしとにかくコードを書くことをミッションにしたり、"わからなさ"をわかることができた、この認知の変化によって自分が技術的に成し遂げられることが格段に変化した。
https://blog.chaspy.me/entry/2021/05/08/120000
Platform に関する大きな変更にもチャレンジした。company wide に影響する migration をサポートをもらいながら主体的に成し遂げられたのは自信につながった。
この頃から"エンジニアリングでビジネスに貢献したい"という気持ちが強くなってきていた。
4年目
2021/06-2022/05
この頃はマネジメントの割合が増えてきていた。もちろん OSS を書くなどコードを書く機会は増やしつつ、いかに組織の課題を fact をもとに解くのか、計測するのか。SRE は何を目指すべきなのかを考えていた。
そして10月からは EM になった。
この頃は組織全体の技術戦略にも関わることになり、視座が一段上がったように思う。そのことが SRE としての活動の幅を広げるにも役立った。
5年目
2022/06-2023/05
SRE だけでなく web チームのマネージャーも兼任することになり、マネジメントとしての難易度を一段上げた。
リクルートグループ入りしたこともあり、交流も増えた。大企業での泳ぎ方みたいなのはわりと適応能力があったみたいでなんとかなっている。
マネジメントをうまくやればやるほど、自分個人の成果が見えづらくなる、マネージャーあるあるだが、そういったことはあまり気にせず、自分の成長できる環境を自分で作っていけたと思う。
このときやりたかった Web 技術そのものを仕事でやることは残念ながらほとんどできていない。まぁ、複数グループ兼任してたらマネジメントだけで終わるのはそれはそうよね。
そのことが今後足枷になるのかはわからない。ただ、評価する立場としては技術との距離はこれ以上離れてはならないと思うので、1軍のコードは書かないまでも、2軍3軍のコードを書く、副業で書くなどして食らいつきたいし、自分自身も技術を楽しみたい。
今後
10月で SRE のマネージャーをやって2年である。2年で引退するつもりだったが、Web のマネージャーもはじめたため寿命が伸びた。
今自分が1番面白いと思うのは"Engineering Management"だ。これは文字通りであり、マネージャーという仕事が面白いとか、人と話すのが楽しいとかという側面ではなく、どのように技術をビジネスに活かすのか、ここにより直接的に関与できる立場にある。
変わらず国内と海外の両方のビジネスを支えていきたい。
国内については SRE と開発チーム両方見れる立場として、技術戦略をよりうまくなる、3年後5年後のサプリの未来を作ることに貢献したいし、それを主体的に行う Engineering Manager や Lead/Senior Engineer をサポートしたい。
海外についてはインフラ面でビジネスが継続できるようコストや開発生産性でサポートしていきたい。
外部コーチングを受けることで自分の強みはある程度わかってきた。広く見て、仕組みを作って、ひとりひとりの成長をサポートして、重要な課題について、レバレッジポイントを見つけて介入したい。そういうことを、もうしばらく今の組織でやる。
それ以外の個人的な興味だと、プロダクトエンハンスをA/Bテストをやって仮説検証をやるチームの検証サイクルを爆速にしたいと思っており、これを成し遂げるには超えるべき壁がたくさんあるので、自分が貢献できるポイントも多いと感じている。やっていきたい。
次の10月で Engineering Manager 3年目になる。引き続きよろしくお願いします。飲みに行きましょう。