はじめに
タイトルはちょっと釣りです。すみません。楽しくなくはないです。
- 作者: デイルドーテン,野津智子
- 出版社/メーカー: きこ書房
- 発売日: 2001/12
- メディア: 単行本
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明日は今日と違う自分になる。
第4章「明日は今日と違う自分になる、だよ」では、目標を立てることの危険性を指摘している。「今日の目標は明日のマンネリ」という言葉からあるが、目標を設定すると、自己管理ができているような気がするともいうし、数年後はおろか、数か月後だってどんな人間になっているか予想がつかない。それよりも大事なことは「明日は今日と違う自分になる」こと。人生を完璧に、自分の思う通りにコントロールすることは不可能と割切るかわりに、常に変わり続け、前に進見続けることだと。
目標を立てて、それを達成しようという取り組みは自分もやっていた。その数が多かったり、達成できなかったり、結局その目標って何のためにあるんだっけって思ったり、うまくいかないと思っていた。
もちろん、目標を立てることそのものはいい。やりたいことを言葉にするという意味ではとてもいい。でもよりフォーカスすべきことは、進捗管理するより、常に今大切なことは何かを考え、変わり続けることなんだと思った。
努力と偶然
第6章「必要は発明の母かもしれない。だけど、偶然は発明の父なんだ。」も、過去の成功者たちの事例をうまくつかんでいる。成功者は10回のうち9回は失敗しているし、なんならもともとしたかったことと違うことがきっかけで大成功をつなげている。これはもちろん偶然であるが、毎日変わり続けようとする姿勢が生んだものだ。
人生はコントロールできないし、成功は偶然から生まれる。だからやるんだよ。少しずつ変えて試すんだよ、なんども試すんだよ、それしかないんだよ。
そう聞こえる。
ホーソーン効果
「あらゆるものを変えて、さらにもう一度変えること」
一般的に、実験は関係している要素を抽出するために、変数を1つにする。同時に変数をいくつも変えては何が効果的だったかがわからないからだ。
しかし完璧な実験ではなかった当時の実験は、結果的にひとが注目されることでどのやりかたをとっても生産性が30%あがる結果となった。つまり完璧なリサーチをしようすればするほど、物事の相互作用を見落としてしまうことを言っている。この文章だけでは説明が不十分だが、この場合でも変化が強いということが主張にあると思う。
成功者がやってきたこと
11章「だれだって、後からだったら、何だって言える。革新というのは簡単そうに見えるものなんだ、後から見ればね」
ここが一番どーんと落ちましたし、自己啓発本のもっとも大きい罠はこれだと思う。
成功者の語る言葉は、とってもストレートな道に見える。そしてそれができるのは特別な人間だからと思い込んだり、運がよかったんだと言う。チャンスはきっと自分とまったく変わらないはずなのに。
困難が与えてくれること
第12章「覚えておいてくれ。"試すことは簡単だが、変えるのは難しい"ということを。」で、とても好きな一節があるので紹介したい。
「困難というのは、一つひとつが実施演習を始める合図だ。試すことは、一つひとつが世の中への問いかけだ。答えというのは、一つひとつが旅だ。旅程の計画は人生に任せておけばいい。きみの仕事は、光を集めることとカメラを持っていくことなんだから:
後半にグァァァってきますね。旅程の計画ばっかり書いて、旅を一切しない。それが自分だな、って思った。
おわりに
仕事をしているひと、誰もが読んで何かを感じるであろうお話です。特に僕みたいに何かになりたい気持ちだけはあって何もできてないひとが読むといいと思います。
試そう。変わろう。大切なヒントを教えてくれた本です。続編の2も出ているのでそちらも読みます。