はじめに
夢だったバンド録音のアルバムを出しました。(出します!5/17に)
経緯や想いは別途公式HPのほうで語られればいいかなと思います。この記事では技術的な話 - レコーディング・ミックス・マスタリング作業についての振り返りをしたいと思います。
レコーディング
大きく3つに工程は分かれてますが、現実的にはこれらは密接に結びついており、分けることはできません。後工程のことがわかってないと良い仕事はできない。
今回、ドラムはオーディオインターフェイスとPC持ち込み、スタジオで自分でマイク立ててやりました。とはいえ、撮ったのは3年も前、福岡にいたときなんですが。。。
持ち込んだインターフェースはこれ。もう生産終了してますね。
ドラム
スタジオでマイクとスタンドを借りて、ハイハット、スネア、キック、ハイタム、ロータム、フロアタム、TopのLとRの8つ。マイキングとかよくわからないのでピークを超えないようにインプットレベルを調整して、撮りました。
ベース
ラインで撮りました。ただ、SP CompとMXR M80 Bass D.I. +を先にかけました。ベースはもう撮りたい音がある程度決まってるのと、先にコンプをかけておいたほうがインプットレベル調整するときに楽だと思ったからです。
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ミドルを下げてドンシャリに。
スタジオでは指弾きなんですがまだリズムや音量が安定しないので、ピック弾きで撮りました。
ギター
アコギはマイクを立てて普通に撮りました。特に向きとか近さは考えてなかったような。
エレキはこれも3年前なんですがエフェクターボードを通して自宅のアンプから出した音をマイクで拾いました。マイクはSM58。
ボーカル・コーラス
自宅でマイク立てて歌いました。これもSM58です。
ミックス
ぜんっぜんわからん。というか正解がわからん。
フェーダーワーク
キックを基準に、他の音量を下げる方向で確認。キックともう1つ、という風に、合わせてじゃなく、1つずつ行いました。
注意したことは
- ベースを上げすぎない
- ボーカルが一番聴かせたいのでそれができているか
EQ
全楽器の周波数特性理解してるわけでも暗記してるわけでもないのでこれもまた難しい。
まず、キックとベースからはじめます。ベースは60Hz以下はカット。キックは62Hzあたりと90Hzあたりに良さげなポイントがあるのでそこをブースト。あとは2000Hzあたりだったかな、を上げるとアタック感?が増すのでアップ。ベースの低音とキックの低音を譲り合ってどちらも聞こえるようにするようにしました。
次に他のパートは全部100Hz以下をゆるやかにカット。低域をあけてあげる。topL/Rなんかはシンバルがとれればいいので、500Hz以下あたりからカット。
insert
キックとスネアとボーカルにCompをかける。ゲインリダクション量が3dBぐらいになるようにスレッショルドを調整。アタックやリリースの違いは正直聴いてもよくわからないので短めにしました。レシオも適当にだいたい、1:4ぐらいにしたはず。
ボーカルに薄くreverbをかける。
マスタリング
ちなみにミックスの工程ではstereo outにマキシマイザーをかけて確認してました。
実際のマスタリングはリミッター + マキシマイザー。outputを-0.1dBにしてあげられるまであげる。RMSメーターで-10〜8dBになるまであげました。
RMSは僕のCubase Elementでは見ることができなかったのでプラグインを導入しました。
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参考書籍
以下の本を読みました。
レコーディング/ミキシングの全知識 [改訂版] (「全知識」シリーズ)
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全知識はアナログ時代とデジタル時代を両方網羅して、原理についての説明が多かった。大事なことなんだと思うが、当然全部は理解できず、全体感の把握に止めた。
音圧アップのためのミキシング本は、「何をすればいいのか」(作業レベルで)と、その根拠が書いてあって非常に助けられた。とりあえずこれのマネをするところからはじめられた。
最後にマスタリングについては、RMSメーターという基準値を知ることができた上、ミックスについてのTipsもある。そしてCubaseというのもあって買ってよかったです。
所感と今後
まだまだ理解が足りてないところもありますがなんとか完成させられました。今回のようなシンプルなバンド構成ですら難しいのだからこれにキーボードとかパーカッションでも別の音が入ってきたりすると…
個人的に、フェーダーワークをしたあとコンプかけて潰すと音量感変わってまたフェーダー確認しないといけないと思ってるんですが、じゃあ先に音作りをしたほうがいいのかなーとも思いました。
マスタリング工程はもはやミックスがうまく行ってないとうまくあがってくれないので、結局ミックス時の音量調節と、EQ補正が1番大事だと思います。
一通り経験したことで、後工程のことを考えながらレコーディングができるようになったのはでかいと思います。目で波形を見ること、耳で聴いて変化を感じること、これは訓練しないとなかなかうまくならないと思うので、ある意味「やるしかない」は正しいのかもしれません。それにしてもノウハウが出てなさすぎな気がしますが。。。
個人的にはマスタリング前の、プロがミックスした状態と、何も手を入れてない状態で比較して、ゴールとゴールに向けてどんな変化をしたのかを知ることが1番重要かなと思いました。(結局コンプをこうするとか、EQをこうするとかは、ただの手段で、それを知ってもあまり意味がない)
おわりに
また次別バンドでのレコーディングでもレコーディング、ミックス、マスタリング担当なので少しずつ上手になりたいと思います。すっげー大変でしたエンジニアさんすごいわ。。。