はじめに
自分と自分の知り合いのみを招待する勉強会を主催した。勉強会といっても、何かテーマがあるわけではなく、それぞれが好きなものを発表するというもので、発表テーマもそれこそソフトウェアエンジニアリングや、IT技術に限定すらしていない。発表者目線で見て、何かを経験・学習して、それをアウトプットとして他者に語ることで自己の中での整理ができる、そういう場になればいい、という思いが1番強かった。もちろん、自分自身に対するその場所を作りたいという気持ちもあった。
酒を飲みながら今夜このブログを書くのには訳がある。同じように、新卒で入社した会社で、ソフトウェア開発の同期と勉強会を立ち上げて、それが終わってしまったときに書いた記事のことを思い出したからだ。
僕たちソフトウェア技術者は外部からの刺激を、好奇心を失ったら死ぬ。だからまたきっと僕は似たようなことをしようとするだろうな。
この発言から1年半、また同じようなことを、同じ会社というスコープを超えてまたやったの、エモくないですか。
モチベーション
思い立ったきっかけは、共同主催の友人と自分が考えたことや関心があることを、IT系の文化になぞらえたLTという感じで、簡易なスライドを通して発表しあうという文化ってとてもいいよね、というところに共鳴して、それこそ最初は2人だけでやっていたことがきっかけだったと思う。僕も転職を機にアウトプットは増やしていきたいと思っていたところだった。
どうしようか考えたときに、やっぱりイベントの主催というのはエネルギーを使うので、まずはクローズド、知り合いのみにしようということを決め、草案を書き、信頼できる仲間にばらまき、リアクションがあった愛しい仲間が合計5人集まったというわけだ。無事全員が予定通り参加し、予定通りプレゼンテーションを行った。タイトルぐらいなら公開してもいいだろう。
時間 | 内容 |
---|---|
18:00 | open〜死ぬまでに何がしたいか語る |
19:00 | 不安を最小化するチームビルディング(15min) |
19:15 | シリコンバレーで3ヶ月働いて体感した自律型組織のススメ(15min) |
19:30 | 会議ファシリーテーションのススメ(10min) |
19:40 | お金ふやしたい(10min) |
19:50 | 車載SWの動向とAUTOSAR(10min) |
20:00 | 強くなるには(15min) |
僕の資料はこちら。
JTFへのCFPが落ちてしまったが、自分にとって非常に関心を持って取り組んだことだったので、これを機にまとめて供養とした。
僕としても、転職をしてしまうので、全職の友人とのコネクションを維持したいという邪な考えも、もちろんあった。
勉強会とコミュニティ
僕はこの勉強会をどうしようか、イマイチ言葉にできずにいた。勉強会とは何のためにするのか。あまり突き詰めすぎるのも面白くないな、と思った。僕がこの勉強会を、勉強会としてではなく、コミュニティとして続けたい、作りたいと思った。その上で、ポリシーを以下とした。
- 発信主体
- 参加ハードルは高く、離脱ハードルは低く
発信しないものは参加できない、そういうことにした。一見ハードルが高いように見えるが、参加ハードルを高く、離脱ハードルを低くすることは、良いコミュニティの条件である、ということを、直近に読んだ本から学んだので実践してみる。
WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜 (NewsPicks Book)
- 作者: 佐渡島庸平
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2018/05/09
- メディア: 単行本
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つまり、参加して、何かを学ぶという、参加者の利益は一切考えない。みんな、自分のことだけ考えて、自分の好きなことを発信したらいい。聞いたひとも、それを楽しめるひとだけが参加したらいい。
自分が普段意識しない問題・分野が自然に交わる。それを楽しい、と思えるひとが参加したらいいと思っている。
参加者同士のコネクションや、発表を受けての刺激は二次的なもので、それは受け取る側が決めればいい。あくまで、発信者のための、発信者を受け止めるためのコミュニティでありたいと、今は思っている。
引用した、4年前の勉強会を主催したときとの差。そのときは「モチベーションコントロールが課題だった」と言っているが、その点を捨ててしまったことと、「みんなで運営しよう」という点も当時とは異なる。運営は僕が責任持ってしっかりする。ただ、モチベーションが高いひとだけが参加できるようにしたことで、前者は考えなくてよくなった。
余談
クローズドだからこそ言えることを言うと、僕は、僕の友達を最高に信用している。僕は僕自身を"変わりもの"だと思ってるし、そんな僕に付き合ってくれるひとは、(言語で分類してしまうのはおこがましいが)自分とは違う他者の、その異種性を楽しめて、かつ、自分自身で、自分の行動を意思決定できる人間だと思っている。そんな人間同士が集まっているのだから、楽しいに決まってるし、他者を受け入れられるに決まっている。僕の友達は、僕の友達と全員仲良くできると、本気で思っている。
おわりに
そんな僕の大好きな友達だからこそ、一度集まってしまえば、特に僕は気を使わずに、あとはよろしくな気分で、にこにこしながら、ゆっくりできるのである。だって僕の友達だから、大丈夫。そんな意味のわからん自信に、僕自身が支えられながら、今日も良い夜を過ごせた。ありがとう。
このコミュニティは続くと思うので、興味あるひとは何かしらリアクションをください、待ってます。