ツナワタリマイライフ

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オンラインイベントについて思うこと

こうなった。nari さんと飲んでて酔っ払って北野さんに 1on1 しよう!!!!!とウザ絡みして 1on1 してもらって SRE Lounge やらないの〜〜〜みたいな話でオンラインイベントについて思うところを話して今に至る。

で、かめねこさんと草間さんとそのへん雑談することになったのでそのための事前インプットを書いておく枠。

この文章を書いているひとについて

コロナ前のイベントの醍醐味

  • 懇親会
  • これにつきる
  • あとカンファレンスの廊下

もちろんトーク内容に興味があるからいくのは大前提だし、学びはいろいろあるが、どうしても 1:多 で発信される発表は"そこそこに刺さる"内容にならざるを得ず、自分自身の課題を解決できるようなピンポイントなものが得られることはめったにないだろう。

そこで質疑応答だとか、そのあとの交流で踏み込んだこと、発表では言えないであろうこととかを聴けるのが一番良いところだと思う。あとたのしい。知り合いも増えるし。

コロナ時代のオンラインイベントについて思うこと

参加者として

  • 圧倒的に便利になった
  • たいていは録画されていて、あとで見れるし、倍速で聴けるし、必要な物だけ見るつまみ食いだってできる
  • 「いつでも見れる」は「見ない」と同義だったりする、人間だものね
    • なので僕に関して言えば参加数・時間は減ったように思う
  • もちろんひとによっては、家庭の都合等で"全然行けなかった"ひとだとかは参加数が増えたひともいるように思う
  • あとは地域格差がなくなったのはもう本当に良いこと
  • 懇親会がないのさみしい
    • なのでイベント後、録画・配信切ったあとに数人で喋るのが最高に楽しい
  • "没入感" みたいなのは家では得られにくいように思う

発表者として

  • 反応が見えないのがつまらない
  • 単に家で画面の前で喋るのも"楽しく"ない
    • 楽しさってなんなんだろうねえ
    • "人前で喋る"ことの良い意味の緊張とか高揚とか含めなんだろうね
  • 質問は sli.do などで非同期に、かつ多く受け取ることができるようになったことは良いこと
    • ただし、質問の意図をその文章から受け取ることは難しい
    • 通常の質問でも2,3往復はやりとりするよね
  • かといってオフラインと同様リアルタイムに挙手して質問が受けられるかというと難しいのもわかる
    • 質問する側としてもハードルが上がるのかも?
    • あと参加者はそもそもリアルタイムに見ている層だけじゃないし
  • あと来年も登壇予定決まっているのに言うのもなんだけど、プレゼン形式の発表はコスパが悪いと感じている
    • 情報伝達という意味ならブログのほうが良い
    • 発表資料作り、練習、時間調整とかかる時間が多いわりにインパクトが出るか、という意味でのコスパ
  • 録画の制約
    • 言っちゃ言えないことがますます言えない
    • その場での"Live"な講演がしづらい
      • 反応次第でしゃべること変えるとか
      • これは技術的にカバーできるかもだが。
    • オフライン時代は「せっかく足を運んできてるんだから」と、"スライドには載っていない" "中の情報" をチラ見せしたりする、見れるのが良いと思っていた
      • Sakabe さんスタイル
      • sakabe さんのセッション、結構がっつりスライドと内部の実際のissueいったりきたりしていて、生Live感がよかったし、そのやり方自体をぼくも直後の自分のセッションで真似できたのでいい体験ができた。

      • July Tech Festa 2019 で登壇した - ツナワタリマイライフ

運営者として

  • それなりに技術要件がある、まぁ慣れればすぐですが
    • 最低限、Zoom + Youtube Live なら楽だしね
    • OBS とかは僕はわかってません
    • オフライン時代の会場調整とかに比べると楽か。。。
  • "リアルタイム"参加者数が読みづらい
    • 録画が前提だとなおさら
    • 参加率もオフライン時代はなんとなし見えてたけどオンラインで参加ハードルが下がった今またまったく読めなくなっていると思う
    • 実際 Youtube Live の場合、connpass の"参加ボタン"を押すことに実質的な意味はないしね
      • でもみんな押すよね、好き、僕も押す
  • 運営目線でも「やってよかった」と実感が得られづらい
    • フィードバックを能動的に得に行く必要がある、まぁこれはオフラインでも同じと言えば同じだが
    • イベント後の懇親会とかで運営しつつ参加者・発表者と話したりしてて感じる部分も結構あったんだなーと思う
  • 前で述べた、参加者、発表者にとってに負の部分を解消するソリューションを考えていく必要がある
    • そこまでやれるか?難しい
    • そもそもイベント運営というだけで大変
    • そこであらたな技術要件、課題に直面している状態が今

まとめや仮説や話したいトピック

録画に関するトレードオフ

利便性と制約にトレードオフがある。参加者にとっては利便性が高いが、発表者にとっては制約が大きくなる。ここにモチベーションの解離が出てくる。ここは絶妙なバランス感覚が求められていると思っていて、"録画をしない"だとか、"クローズド"(配信しない)みたいな挑戦をしていく必要があるのではないか。

インタラクティブ性の演出の難しさ

これには"録画でも見れる"利便性によるリアルタイム参加者数が読めない点、単に技術的な要件(sli.do などはすごい。あとカンファレンスによっては ask the speaker を作ってたりするよね)、そしてオンラインだから、見えないからこその参加者の"没入感"が得られない点などが原因になっている気がする。

これは発表者、運営者のモチベーション、インセンティブに関わると思うが、やっぱり「ただ発表するだけ」では「やってよかった」と得づらいと思っていて、フィードバックや質問疑問などがあってこそ思えることだと思う。そういう意味でも双方向性は不可欠だと思う。

発表者・運営者のモチベーション・インセンティブ設計の再考

上のトピックと関係するが、やっぱりそれが得られづらくなってるのではないか。

地理的・物理的制約がなくなって、圧倒的に可能性は広がっている。ただし、広がったからこそ需要が見つけづらいだとか、フィードバックが得られづらいとかで、あらたな運営スタイル・発表スタイル、あるいはそれを支える新たなプラットフォームが求められているように思う。

2021年挑戦したいと思っていること

  • 新たなオンラインカンファレンスのスタイルの確立
    • いろいろ実験したり話したりして仮説検証したい
    • 例えば8人とかの人数制限、内容を限定してクローズドなイベントを多数開催することで利便性と没入感やフィードバックの両立ができないか?
    • インタラクティブメインのイベントをオンラインで実現する
      • Terraform-jp でやっていた ワールドカフェスタイル
      • EM meetup でやっていた オープンスペース方式
      • Datadog jp でやった Live・ペア/モブプロ形式での発表
    • 現状ある様々な問題を技術的に解決できないか?
    • より"コンサルティング"みたいなのはしやすくなっているはず。やはりクローズドでは?
    • 逆側に発想を振ったりゼロベースで考えて、コミュニティ全体でオンラインイベントを考えていければ楽しいと思っている

参考

このエントリに大きく影響を受けており、かなり示唆に富んでいると思っています。

yasuhisa.com

おわりに

楽しいことしたいね。31日の雑談会よろしくおねがいしまーす。